この記事の目次
伊藤士恩さんは2年連続の選出
毎年恒例のことではありますが、今年度の吹奏楽コンクールの予選が始まる前に、来年度(2026年度)の吹奏楽コンクール課題曲が発表されました。

まだI〜IVの順番は決定していませんが、一般公募から2曲、全日本吹奏楽連盟の委嘱作品が2曲となりました。
第35回朝日作曲賞を受賞したのは森山至貴(のりたか)さんの《夕映えの丘》。
青春の風景を連想させるタイトルから、どんな曲なのか気になるところですが、ユニークなのは森山さんの経歴。
東京大学を卒業し、現在は早稲田大学文学学術院文化構想学部で教授を務める社会学者とのこと。『「ふつうのLGBT」像に抗して:「なじめなさ」「なじんだつもり」から考える』(青土社)などの著書があります。
また、作曲家としてはこれまで合唱曲を中心に作曲されていましたが、今回は吹奏楽で朝日作曲賞の受賞となりました。
《あつまれ おもちゃのマルチャ!》を作曲した伊藤士恩さんは、今年度の課題曲III《マーチ「メモリーズ・リフレイン」》の作曲者。つまり、2年連続の課題曲選出です。
伊藤さんは《マーチ「メモリーズ・リフレイン」》作曲当時は愛知教育大学の大学生。現在は、愛知教育大学教職大学院1年に在籍。今後が楽しみな若手ミュージックメイカーです。
今後は委嘱作品が中心に?
今年度から、課題曲4曲のうち半分の2曲が委嘱作品となりました。この流れは来年度も続きます。
《管楽器のためのフィナーレ》の伊藤康英さんは、《吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」》《ピース、ピースと鳥たちは歌う》などでも知られています。また、昨年は創価大学(大学の部)と創価グロリア吹奏楽団(職場・一般の部)を指揮し、全日本吹奏楽コンクールW金賞を成し遂げています。
個人的な話では、昨年出版した恋愛小説集『Sweet&Bitter 1 恋に正解ってある?』に収録されたオザワ部長の小説「チョコレート・ダモーレ」は、伊藤康英さんの美しい楽曲《チョコレート・ダモーレ》にインスパイアされて執筆した物語です。
そして、《ザ・ガーズ》の星出尚志(ほしでたかし)さん。「ニューサウンズ・イン・ブラス」シリーズの名アレンジャーとして知られていますが、作曲でも特に《ファンキー・ヘンズ》《ザ・テンプター》などノリのいいポップス曲が多くの人に愛されています。
今回の《ザ・ガーズ》は果たしてポップス曲なのか、どんな曲調なのか、非常に楽しみです。
また、今後は委嘱作品2曲が続くのか、あるいは、委嘱3曲、全曲委嘱という可能性もあるので、全日本吹奏楽連盟の動きに注目しつつ、優れた課題曲の登場を期待したいところです。
★オザワ部長の本★
