部活が活性化する明確な目標
6月24日、奈良県吹奏楽連盟は吹奏楽コンクールに代わる大会として、「It’s My Music! 奈良県吹奏楽祭2020」の開催を発表しました。
発表されている日程と内容は以下のようになっています。
8月9日 中学校・高校:フェスティバル部門
8月10日 高校:コンテスト部門(講評+金・銀・銅の評価)
9月12日 中学校:フェスティバル部門
9月13日 中学校:フェスティバル部門
詳細情報については、奈良県吹奏楽連盟のホームページをご参照ください。
「It’s My Music! 奈良県吹奏楽祭2020」が開催されることを、おそらく奈良県の多くの吹奏楽部員が喜んでいるのではないでしょうか?
吹奏楽部にとって、コンクールがすべてではありません。
しかし、コンクールという「期日が決まっている明確な目標」があることによって、練習やモチベーションなどもはっきりし、充実したものになることでしょう。
余談ですが、作家やライターの世界には「期日が決まっている明確な目標」に「〆切」というものがあります。
「〆切」は、一般的には忌み嫌われ、恐怖されるもの(笑)で、場合によっては〆切に間に合わせるために睡眠時間を極限まで削る、缶詰生活を送る、といったこともあります。
「もっとここは練りたいのに……」と思っても、〆切があるために断腸の思いで原稿を完成形にし、提出することがあります。
「〆切がなければ、よりよい作品ができたはず」と思うこともままありますが、実はそうではありません。
現実的には、〆切がないとなかなか執筆が進まず、下調べや取材などをひたすら(ときには意味もなく)繰り返し、フィニッシュに導けない……そういうことが多いのです。
〆切がない仕事は、ヨーイドンの合図もなく、ゴールまでの制限時間もないマラソンのようなものです。
ひたすらスタート前の準備運動やトレーニングを続け、スタートしても寄り道や休憩を繰り返してしまう。人間とはおおよそそのようなものです。
ヨーイドンがあり、制限時間があり、ゴールがあるからこそ、そこに向けての準備も、レース本番も充実したものになりますし、好記録も出るのです。
ですから、〆切は嫌われ者でありながら、〆切はとても大切な、尊重すべきものなのです。
吹奏楽や部活動におけるコンクールの是非が論じられるとき、いつもオザワ部長は自分の仕事における〆切のことを思い出します。
現時点でコンクールの代替大会の開催を発表しているのは、広島県、熊本県、宮崎県、沖縄県です。他にも検討中の地域もあることでしょう。
一方、「代替大会は行わない」と決定されている地域・支部もあると聞いています。
新型コロナウイルスの影響は地域ごとに濃淡があり、また、対応や考え方についてもそれぞれ違いがあるため、これは仕方のないことであり、当然のことでしょう。
いずれにしても、2020年度の吹奏楽部員たちの活動が充実し、キラキラと輝くものになることを願っています。