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17人の作曲家が共作した《つながる〜感謝とエール〜》
※7/1 楽曲の演奏動画、楽譜が公開されましたので、記事を更新しました!(後半にあります)
新型コロナウイルスの影響により、様々な面でダメージを受けた吹奏楽界。
集まって合奏することができない日々が何カ月も続きましたが、そんな状況だからこそ「つながる」ことの大切さを伝える企画、その名も「つながるプロジェクト」が立ち上がりました。
発起人はトランペット奏者・作曲家の三澤慶さんと、作曲家・ネクサス音楽出版代表の渡部哲哉さん、そして、conpas事業推進の後藤誠さん。
このプロジェクトは、画期的な内容をいくつも持っています。
①17人の作曲家が共作で《つながる〜感謝とエール〜》を作曲
②プロ指揮者・吹奏楽指導者・演奏家81人で《つながる〜感謝とエール〜》をリモート合奏
③《つながる〜感謝とエール〜》の楽譜を無料で配布
④著作権使用料など発生した収入は慈善団体に寄付
⑤オーケストラやアンサンブルの編曲譜の提供も検討
大人世代の皆さんは、1985年にアメリカで発表された《We Are The World》を思い起こすのではないでしょうか?
飢餓と貧困に苦しむアフリカを救うため、マイケル・ジャクソンやライオネル・リッチー、ブルース・スプリングスティーン、スティービー・ワンダー、シンディー・ローパーなど当時のトップアーティスト45人が集まり、制作された曲が《We Are The World》でした。
今回の「つながるプロジェクト」は、吹奏楽版《We Are The World》とも言えるような企画になっています。
なお、作曲は、発起人である三澤慶さんがAメロディの最初の4小節を作曲。その後、それをベースにして各作曲家が1人につき4〜5小節ほどを作曲。リレー形式で次の作曲家にバトンをつなぎ、《つながる〜感謝とエール〜》が出来上がっていったそうです。
錚々たるメンバーが参加
では、この「つながるプロジェクト」の参加メンバーを見ていきましょう。
なお、オザワ部長も「応援部長」を拝命しております。
【作曲家】(17名)
阿部勇一
石川亮太
江原大介
金山 徹
鹿野草平
清水大輔
下田和輝
杉浦邦弘
高橋宏樹
田村修平
内藤淳一
朴 守賢
福田洋介
松下倫士
三澤 慶
和田直也
渡部哲哉
【指揮者・吹奏楽指導者】(10名)
大井剛史(東京佼成ウインドオーケストラ正指揮者)
鈴木文雄(国本女子中学・高等学校)
玉寄勝治 (羽村市立羽村第一中学校・明星大学)
土屋和彦(玉川学園中等部)
土屋史人 (浜松聖星高等学校)
中村睦郎(創価グロリア吹奏楽団常任指揮者)
西村 友(指揮者)
畠田貴生(東海大学付属高輪台高等学校)
福本信太郎(昭和音楽大学)
松元宏康(洗足学園音楽大学)
【演奏家〜「つながる吹奏楽団」】(71名)
Flute
赤木香菜子(フリー)
窪田恵美(シエナ・ウインド・オーケストラ)
丸田悠太(東京佼成ウインドオーケストラ)
満丸彬人(名古屋フィルハーモニー交響楽団)
Oboe
是澤 悠(フリー)
宮村和宏(東京佼成ウインドオーケストラ)
最上峰行(東京交響楽団)
Fagot
福井弘康(東京佼成ウインドオーケストラ)
井上直哉(フリー)
Es Clarinet
木内倫子(シエナ・ウインド・オーケストラ)
B♭Clarinet
粟生田直樹(東京吹奏楽団)
秋山かえで(洗足学園音楽大学)
飯島 泉(シエナ・ウインド・オーケストラ)
太田友香(東京佼成ウインドオーケストラ)
勝山大舗(東京都交響楽団)
金山 徹(作編曲家・マルチリード奏者)
左藤博之(フリー)
芹澤美帆(愛知室内オーケストラ)
鶴山まどか(フリー)
三浦千花音(フリー)
安田菜々子(フリー)
Alto Clarinet
渡邊一毅(ブリッツフィルハーモニックウインズ)
Bass Clarinet
井上幸子(常葉大学短期大学)
三木 薫(フリー)
Alto Saxophone
猪俣明日美(グリーンレイサクソフォーンカルテット)
荻島良太(ヴィーヴ!サクソフォン・クワルテット)
田中麻樹子(サクソフォンカルテット桜)
豊田晃生(ヴィーヴ!サクソフォン・クワルテット)
波多江史朗(東京音楽大学)
三田千晶(グリーンレイサクソフォーンカルテット)
Tenor Saxophone
川﨑有記(グリーンレイサクソフォーンカルテット)
鶴飼奈民(ヴィーヴ!サクソフォン・クワルテット)
松井宏幸(東京佼成ウインドオーケストラ)
Baritone Saxophone
浅利 真(ヴィーヴ!サクソフォン・クワルテット)
小林実鈴(グリーンレイサクソフォーンカルテット)
東 涼太(カルテットスピリタス)
Trumpet
池田英三子(尚美ミュージックカレッジ/埼玉大学)
亀島克敏(広島交響楽団)
川田修一 (東京フィルハーモニー交響楽団)
河原史弥(東京佼成ウインドオーケストラ)
久良木文 (シエナ・ウインド・オーケストラ)
澤田真人(東京交響楽団)
長谷川智之(NHK交響楽団)
本間千也(東京佼成ウインドオーケストラ)
三澤 慶(東京室内管弦楽団)
Horn
上里友二(読売日本交響楽団)
大野雄太(東京交響楽団)
岸上 穣(東京都交響楽団)
森 博文(くらしき作陽大学)
安田健太(東京室内管弦楽団)
山本 真(聖徳大学)
Trombone
今込 治(上野学園大学)
上田智美(東京室内管弦楽団)
小田桐寛之(東京都交響楽団)
倉田 寛(愛知県立芸術大学)
塚本修也(桐朋学園芸術短期大学)
箱山芳樹(千葉交響楽団)
廣瀬大悟(トロンボーンクワルテット・クラール)
Bass Trombone
黒金寛行(NHK交響楽団)
Euphonium
安東京平(国立音楽大学)
鎌田裕子(洗足学園音楽大学)
齋藤 充(国立音楽大学)
Tuba
次田心平(読売日本交響楽団)
古本大志(広島交響楽団)
String Bass
鷲見精一(コントラバスコンクール主宰)
高杉健人(東京室内管弦楽団)
Percussion
荻原松美(シエナ・ウインド・オーケストラ)
狩野もなみ(ブリッツフィルハーモニックウィンズ)
高田 亮(洗足学園音楽大学)
冨岡春絵(ブリッツフィルハーモニックウィンズ)
野本洋介(読売日本交響楽団)
動画編集
後藤 誠
発起人
三澤 慶
渡部哲哉
後藤 誠
プロジェクト・パートナー
榊本真希(フォスターミュージック代表)
Special Thanks
オザワ部長(つながるプロジェクト応援部長)
すごすぎませんか?
こんなメンバーが集って(=つながって)、吹奏楽界のために1つの作品を作り上げる。奇跡のようなプロジェクトだと思います。
なお、メンバーは「つながるプロジェクト」のYouTubeチャンネルでも動画で公開されています。
発起人からのメッセージ
では、発起人である三澤さんと渡部さんからのメッセージをお伝えしたいと思います。
【三澤慶】
思うように活動ができない、全国の吹奏楽愛好家の皆さんに「何かエールを送りたい!」という気持ちから始まったプロジェクトです。
同じような想いを抱いていた作曲家17名、指揮者・指導者10名、そして71名の演奏家の皆さんも賛同し、作品作りに参加してくれました。 今度はこの作品をみなさんにつなげようと思います。
ぜひ動画をご覧いただき、そして楽譜をダウンロードして演奏していただきたいと思います。 みなさんも我々と一緒に音楽の輪でつながりましょう!
【渡部哲哉】
普段は裏方で黒子、仕事は孤独で黙々と行う作曲家発信で立ち上がった本プロジェクト。
まったく行く末の予想がつかない状態で始まったこのプロジェクトが、作曲家からプロの演奏家へつながり、そして皆様のところへとつながるところまで歩みを進めることが出来ました。
今度は皆さんがバトンを受け取り、周りの皆さんへバトンをつなぐ役割となります。小さな輪から大きな輪へ、そして温かく優しい輪へと変化していくことを心から願っています。
こうなると、気になるのは楽曲《つながる〜感謝とエール〜》がどんな曲になっているか……。
曲のリモート合奏動画、楽譜は7/1(水) 20:00公開予定となっています。
当サイトでも情報を掲載していきますので、ぜひお楽しみに!
なお、詳細情報は「つながるプロジェクト」公式サイトでもご確認できます。
TwitterなどSNSで「つながるプロジェクト」について発信する際はぜひ「#つながるPJ」をつけてくださいね。
曲と楽譜が発表された暁には、ぜひ皆さんの学校・楽団で演奏していただきたいです。
多くの大切なことが失われてしまった2020年ですが、1つの曲を通して日本の吹奏楽が「つながる」、音楽で手を「つなぐ」、それはきっと再び前へ進んでいく大きな力になることでしょう。
そして、ついに演奏動画・楽譜公開!(7/1 update)
2020年7月1日、記念すべき楽曲《つながる〜感謝とエール〜》がついに公開されました。
演奏動画は、プロの指揮者、吹奏楽指導者、プロの奏者によるテレワーク合奏です。
今まで吹奏楽界では数々のテレワーク合奏が公開されてきましたが、これほど豪華なメンバーが集ったものがあったでしょうか?
もしかしたら、新型コロナウイルスという大きな災いがなければ、このプロジェクトは成立しなかったかもしれません。
オザワ部長もフリーランスで働くプロの作家なのでわかるのですが、これだけのプロが「無償」で作曲や演奏を行うというのは、通常ではありえないことです。
皆さんそれぞれ、現在までに長い時間やコスト、労力をかけてご自身の能力・技術に磨きをかけ、多くの下積みや辛酸を経験しながら、吹奏楽界でリスペクトを集める存在になってきた方々です。
しかし、今回はそういったことを度外視して、この「つながるプロジェクト」に賛同し、吹奏楽や、吹奏楽に取り組む学生・社会人のために力を合わせてくださった。
それだけでも、本当に「奇跡」のようなことですし、皆さんの「愛」に深い感動を覚えずにはいられません。
まずは、動画をご覧ください。
日本を代表するプロ吹奏楽団の正指揮者、素晴らしい演奏を生み出し続ける吹奏楽指導者、オーケストラや吹奏楽団、フリーで大活躍している奏者が一堂に会し、リモートとは思えない音楽を奏でています。
そして、楽曲《つながる〜感謝とエール〜》。
親しみやすく、優しさやぬくもりを感じさせるメロディー。未来に向かってゆっくりと歩みを進め、その先にまぶしい希望の太陽が昇ってくる……そんな情景を感じさせます。
まっすぐ心に響いてくる、とてもエモーショナルな曲です。
17人の作曲家が4〜5小節ずつ分担して書いたとは思えないほどまとまりがあり、それでいて、個性もチラリチラリと垣間見えます。まさに理想的なコラボレーションです。
ぜひこの曲を何度も聴いてみてください。
スコアを見てみてください。
そして、一緒に演奏しましょう。
新型コロナウイルスを気にせずに合奏できるときがいつ来るのかはわかりません。けれど、そのときが来たら、同じ学校・楽団のみんなで演奏しましょう。他の学校や楽団の人たちとも一緒に演奏しましょう。
たとえ未曾有の感染症によってバラバラにされても、僕たちは音楽を通じてつながり合うことができる。
この《つながる〜感謝とエール〜》という曲を通じて、そんな絆を全身で感じましょう。
楽譜は公式サイトから無料でダウンロードできます。
《つながる〜感謝とエール〜》がホールに響き渡る日を、今から心待ちにしています!
【つながるプロジェクト 公式サイト】
▼YouTube動画はこちら▼