管楽器の飛沫は日常生活レベル!?
演奏時にどれほどの飛沫があり、リスクはどれほどなのか……吹奏楽に関わる人なら誰でも気になるところです。
東京都交響楽団(都響)が専門家を招いて行った飛沫の検証は、もちろん管楽器も対象で、非常に注目を集めました。
そして、その結果を踏まえて都響が「演奏会再開への行程表と指針」を発表しました。
詳しい内容は都響のホームページ、また、そこに掲載されている文書をしっかりとお読みいただきたいと思います。
飛沫検証の結果については、文書の後半に登場します。
注目すべきは、以下の記述です。
10種類の楽器(測定順に、オーボエ、トランペット、ホルン、テューバ、トロンボーン、フルート、ピッコロ、ファゴット、クラリネット、バスクラリネット)から出る飛沫は、楽器や口元に極めて接近した際にわずかに見られ、またマウスピースのみを吹いた場合には計測可能な量の飛沫が発生したが、男性歌手よりも飛沫を発生する楽器は一つもなかった。総じて、少なくとも今回測定した 10 種の楽器全てにおいて、通常の演奏時に、「人の日常会話よりも顕著に多く飛沫を放出する」とは考えにくい。つまり、広い舞台における楽器演奏中(本番中)のリスクは、演奏前後(リハーサル、食事、会話、打ち上げ等、つまり日常生活)より顕著に高いとは考えにくい。
https://www.tmso.or.jp/j/wp/wp-content/uploads/2020/06/Guidelines.pdf
これは吹奏楽界にとって非常に希望の持てる内容ですね。
ただし、あくまで都響の検証の結果であり、また、都響もこの結果を受けながらも慎重に段階を踏んで「ステージ」を変更していくとしています。
学校の吹奏楽部やアマチュアの吹奏楽団は、様々な検証結果、プロ楽団の動き、各自治体や吹奏楽連盟などの指針を踏まえながら、コンサートの再開について検討していくのがよいのではないでしょうか。
1日も早く、きらびやかな吹奏楽サウンドがステージで響くときが来ることを願っています。