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部活停止の今、できることは何だろう?
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本中で中学校や高校の休校が続き、部活動も休止となっています。3月下旬にいったん部活が再開されたところに関しても、再びストップしたという情報が入っています。
吹奏楽部員にとって、これほど長く練習をしない(できない)というのは今までにない経験ではないでしょうか。単に練習できないだけでなく、学校や音楽室を使うこともできませんので、できることは非常に限られてきます。
オススメしたいのは、普段は忙しくてできなかったことを今することです。
たとえば、以下のようなことがあります。
- 譜読みをする(自分のパートだけでなく、スコアを読む)。
- 音楽を聴いたり、映像を観たりする(プロの演奏、吹奏楽以外の音楽など)。
- 楽典や音楽史を勉強する。
- 音楽や吹奏楽に関する本を読む。
- 自宅で個人練習。音が出せないときは運指だけでも練習する。
- 自宅でできる他の楽器に挑戦する(ピアノ、キーボード、電子楽器、DTM等)。
- 小説を読んだり、映画を観たりすることで感性を高め、イメージ力を養う。
- 編曲や作曲に挑戦してみる。
もちろん、一番の練習は楽器を演奏することですが、それができない状況でもいろいろやれることはあるのです。
部活再開までの間に徹底的に勉強をして、学習面での「貯金」を作っておくのも良いでしょう。
「聴く力」を養う機会にしよう
さて、これは指揮者の松元宏康さんの言っていたことですが、奏者にとってもっとも大切なのは「聴く力」。
「聴く力」が養われていれば、正しい音程で演奏したり、ハーモニーを合わせたり、美しい音色を出したりすることができるようになります。自分の出す音をきちんと判断し、修正できるからです。
「聴く力」を養うためには、やはり音楽を聴くのが第一でしょう。
質の高いプロの演奏に、細かい部分まで耳を傾けること。できれば、CDなど音質のいいメディアを使って音を聴ける環境があればベターです(もっともいいのはコンサートで生の音に触れることなのですが、現状はなかなか難しいでしょう)。
あるいは、Apple Musicなどの音楽サブスクリプション(定額制音楽配信サービス)で浴びるようにたくさんの音楽を聴いてみるのも良いと思います。
要するに「質」か「量」かということなのですが、可能であればその両方でアプローチしてみてはいかがでしょうか。
「テレワークで合奏」という試み
新日本フィルハーモニー交響楽団の「テレワークでパプリカ合奏してみた」という動画が話題になりました。
ビデオ通話を使ってそれぞれの奏者が自宅で演奏し、動画(通話)上で合奏にするという試みです。
メンバーが一箇所に集まれない今、こういった形で合奏ができる、ということを想像していた人はたくさんいると思いますが、実際にプロの音楽家がやってみたことに大いに意味がありました。
そして、それと同じ試みがアマチュアでもできるのではないか、ということで、東京の強豪中学校である羽村市立羽村第一中学校吹奏楽部の同窓会バンド(現役部員含む)、羽村ウインドオーケストラが《紅蓮華》(人気アニメ『鬼滅の刃』OPソング)を演奏した動画がYouTubeにアップされています。
今や、スマートフォンやタブレットを使えば、誰でも気軽にビデオ通話ができる時代。もちろん、そこで合奏をするにはハードルもありますが、何でもやってみることが大切だと思います。
今のような状況は、世界中の誰も経験したことがないのですから。
いろいろチャレンジをしていく中で「これが有効かも」という方法が発見されていくことでしょう。
そして、またいつか音楽室に集まったとき、技術的には少し腕が鈍っているかもしれませんが、それぞれが技術とは別の面で音楽的に成長していたら良いですよね!
大変な時代ではありますが、自分なりの吹奏楽への取り組みを続けていきましょう。
明けない夜はなく、やまない雨はない、のですから。