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アイデアでコロナを乗り切れ!
全日本吹奏楽コンクール、全日本マーチングコンテスト、全日本小学生バンドフェスティバルの中止が発表されてから1週間が経ちました。その後、支部大会、都道府県大会、地区大会なども次々に中止になっていきました。
大会ができないだけでなく、学校にも通えない、顧問の先生や部活の仲間とも会えない、楽器の演奏も思い切りできない……とストレスが溜まる状況が続いています。
しかし!
そんな状況に負けまいと、日本中でさまざまなテレワーク/リモート/オンラインの取り組みが行われています。
オザワ部長のもとにはたくさんの情報が届いていますので、一気にご紹介していきたいと思います。
気になった動画はぜひチェックしてみてくださいね!
「ブラバン少女」精華女子高校の初演奏!
福岡県の「ブラバン少女」、精華女子高校吹奏楽部。
新型コロナウイルスの影響で休校・部活停止が続いていますが、新体制になって初めての演奏がオンラインで実現しました。
3人の部長さんからの「息の合った」メッセージに始まり、《風になりたい》をテレ合奏。
精華らしい明るさとキレの良さはもちろん、カラーガードやバトンの演技なども見どころです!
最後は元気よく「精華ファイヤー!」
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高輪台も十八番の《風になりたい》&部活紹介
《風になりたい》といえば、定期演奏会やイベントで頻繁にこの曲を披露しているのが東海大学付属高輪台高校吹奏楽部(東京)。
高輪台の《風になりたい》は振り付けも決まっており、定期演奏会では観客も一緒に踊るのが定番ですが、その踊りも入ったテレ合奏動画が公開されています。
外部向けだけでなく、まだ一緒に部活ができない1年生に向けて振り付けを覚えてもらうという意味も込めて作られた動画です。
1年生ならずとも、ぜひ振り付けを覚えて、コンサートが再開された折には高輪台と一緒に踊りましょう!
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なお、高輪台は新入生向けの部活紹介動画も発表しています。
1日のスケジュールや休日、年間行事、チーム分け、マーチングの衣装、日本舞踊、ステージ衣装(赤ブレ)、部活指定ジャージ(白ジャ、赤ジャ)、部Tなど、高輪台情報が満載!
普段はなかなかわからないところまで紹介されていますので、高輪台マニア(?)にはたまりませんね!
こちらもぜひご覧ください!
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八王子高校は「ピタゴラスイッチ」に挑戦!?
オザワ部長著『新・吹部ノート 私たちの負けられない想い。』にも掲載されている東京の八王子学園八王子高校吹奏楽部。
「八学吹部!おうちで部活プロジェクト」という動画シリーズを発表していますが、特徴的なのは全員での合奏にこだわらず、学年ごと、パートごとなど柔軟なチーム分けで取り組んでいる点。
第12回では、43期の部員(突破の代)が登場。
実は43期はすでに卒業しているのですが、3月下旬に予定されていた卒業公演(定期演奏会)が中止となってしまったため、「まだ卒部していない」状態。
そんな43期は抜群のアンサンブル力で星野源さんの《うちで踊ろう》を演奏しています。中には指揮をしたり、手拍子や踊り、ギターで参加したりしている人も。
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また、なんと第16回では45期の仲良し4人組が「ピタゴラスイッチ」に挑戦!
ほっこりするリコーダーの四重奏はもちろん、八王子高校吹奏楽部にまつわるものを利用した「ピタゴラ装置」も素晴らしい出来!
中には『新・吹部ノート 私たちの負けられない想い。』も登場しています。
わかるかな〜?
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武生商業と精華高校がファンキーダンスで共演!
福井県立武生商業高校吹奏楽部といえば、日本一ファンキーな吹奏楽部として有名です。
顧問はご存知、ファンキー教の教祖・植田薫先生!
植田先生はファンクバンド「THE NEW BEADS」のボーカルでもあり、そこから生まれた《Luv, Peace under the Groove》という曲は吹奏楽にアレンジされて日本中の吹奏楽部で演奏されています。
そんな名曲に合わせて、武生商業高校と大阪の精華高校の吹奏楽部員がダンスでコラボ!
こんなときだからこそ可能になった福井と大阪の高校の共演ではありますが、早くリアルに同じステージで演奏やダンスを満喫できる日が来るといいですね!
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1年生も参加した伊川谷北高校の《Happiness》
休校が長引いているため、1年生の入部も未定という学校が多いと思います。
そんな中、兵庫県立伊川谷北高校吹奏楽部、通称「イカキタブラス」では、体験入部中の1年生を含めた部員101人によるリモート合奏動画を公開。
こういった形で、オンラインで一足早く1年生と上級生が合奏するというのもいいですよね!
曲は嵐の《Happiness》です。
昨年度までの活動の様子がわかる動画や写真とともに、不安や決意などが込められた今の思いがテロップで流れ、胸を打ちます。
きっとこれまでとても素敵な活動を続けてきたのでしょうね!
この動画を観て、さらに新入部員が増えるといいですね。
なお、個人的にキャラクターの「イカ」がツボでした。
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北海道旭川商業高校吹奏楽部が歌う感動の合唱曲《夜明け》
オザワ部長著『吹部ノート3』にも登場する北海道の旭川商業高校吹奏楽部は、全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞したこともある実力はもちろんのこと、聴く人の心をつかむ感動的な演奏や合唱でも知られています。
今、埼玉栄高校や花咲徳栄高校、精華女子高校など全国の吹奏楽部で歌われている合唱曲《夜明け》は、もともと旭川商業高校の平成10年の卒部生によって作られた曲です。
今回、新型コロナウイルスの影響で部活動ができない中、旭川商業高校はオンラインで《夜明け》を合唱してます。
とにかく、観てください。
旭川商業高校の「伝えよう!」という熱い思いは、たとえネット上の動画でも、たとえリモート合唱でも、きっと皆さんの胸に届くはずです。
なお、ピアノの伴奏は作曲者で、OGである八幡映美さんです。
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座奏&マーチングで活躍する東京農大二高の《うちで踊ろう》
群馬県の東京農業大学第二高校吹奏楽部は、吹奏楽コンクール・マーチングコンテスト・マーチングバンド全国大会……と多彩な活動を繰り広げているバンドです。
いずれも実力は折り紙つきですが、そんな農二がテレ合奏で挑戦したのは星野源さんの《うちで踊ろう》。
先生の指揮に合わせて、演奏する人、手拍子やダンスをする人、シュールな小ネタ(?)を披露する人など様々。
可愛いパペットも登場しますよ!
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宮崎県の高校生30人が集まった自主テレ活動!
部活ができない今、逆にできることもあります。
オンラインでつながることによって、普段なら違う学校に通っていたり、離れたところに住んでいたりする人たちと一緒にテレ合奏などができる、というのもそのひとつ。
宮崎県では、宮崎商業高校、宮崎大宮高校、宮崎北高校など県内の高校10校から約30人が参加したテレ合奏動画が制作され、公開されています。
曲は嵐の《ふるさと》です。
学校の壁を超えたリモートでのつながりは、発案から企画、呼びかけ、編集などすべて高校生が自主的に行ったそうです。そして、一度も顔を合わせることなく、合奏動画を完成させたとか。
アプリも無料のものを使っているため、動画の下部に広告が入ってしまっていますが、それもまた「できることをできる範囲でやろう」という気持ちが感じられるものとなっています。
部内の絆も大切ですが、こうやって音楽を通じて広く交流が持てるというのも素敵ですよね!
宮崎の高校生の頑張りにブラボー!
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こんなときだからこそ好きな曲を!中部大学春日丘高校トリオ演奏
吹奏楽コンクール・マーチングコンテスト・個人重装コンテストで東海大会に6年連続出場している愛知県の中部大学春日丘高校吹奏楽部、通称「ハルスイ」。
テレワーク合奏として公開しているのは、部内の合奏ではなく、アンサンブル。
オーボエとファゴット、ピアノの三重奏の《美女と野獣》です。
ダブルリードの優しい響きが感動的です。
顧問の安田竜彦先生によれば、「有志で好きな曲をテレワーク合奏しています。今は閉塞感があるので、敢えて好きな曲を演奏するというところがポイントです」とのこと。
確かに、難しいソロ曲やアンサンブル曲にチャレンジするのもいいですが、親しみやすいメロディアスな曲、普段吹奏楽ではあまり演奏機会がない曲(それこそモダンジャズやフュージョンなど)などを演奏してみるのも良い経験になりそうです。
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「最強の中学校バンド」上磯中もテレ合奏開始!
テレ合奏は主に高校生や大人、プロの間で行われていますが、中学校も取り組み始めています。
昨年まで全日本吹奏楽コンクールで5年連続金賞(五金)の北斗市立上磯中学校吹奏楽部(北海道)もいよいよテレ合奏動画を公開し始めました。
最初に公開しているのが、Official髭男dismの大ヒット曲《宿命》。
リモートで合奏するにはリズムなど難しい箇所がある曲ですが、中学生たちがやりがいを感じながら取り組んでいるのが伝わってきます。
顧問の中條淳也先生によれば、最初なので手探りのところもかなりあるそうですが、これから何曲か挑戦してクオリティを上げていきたい、とのことでした。
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札幌市立清田中学校は《勇気100% Brass Rock》!
ここ3年、上磯中学校とともに北海道代表として全日本吹奏楽コンクールに出場している札幌市立清田中学校吹奏楽部。
YouTubeチャンネルでは、演奏会の動画に加えて、テレワーク合奏《勇気100% Brass Rock》を公開しています。
名指導者の多米恵理子先生の指揮とともに、吹奏楽部員、卒業生、顧問、さらには外部コーチも加わって65人での演奏。
爽やかな歌声、明るい笑顔、元気な振り付け、一人ひとりのメッセージ……など、まさに「勇気」をもらえる動画になっています!
クラリネット奏者・月村淳先生のソロも聴けます。
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玉寄先生のトロンボーンソロが激レアな羽村一中&OB・OG合奏
東京の強豪である羽村市立羽村第一中学校吹奏楽部の現役生と、卒業後に大活躍しているOB・OGが合同でテレワーク合奏。
なんと今回はそこに顧問の玉寄勝治先生もトロンボーンで参加しています。
曲は《ルパン三世のテーマ》。
聴いてみるとわかると思いますが、テレワークとは思えないクオリティの高さで、ジャジーな雰囲気も味わえる演奏になっています。
テレワークでここまでできたら楽しいですね!
見どころはトランペットのハイトーンと玉寄先生のトロンボーンソロ。ベースも効いています。
▼動画はこちら▼
今後もテレ合奏は定着する?
いかがだったでしょうか?
緊急事態宣言も一部では解除され、徐々に学校や部活が再開されていくことでしょう。
ただ、個人練習やパート練習はできても、合奏となると「三密」の状況になりかねないだけに、なかなか以前のようにはできないかもしれません。
また、毎日部活ができない、ということも想定できます。
そうなったとき、今後もテレ合奏が必要とされていくかもしれません。
少なくとも、3月から現在までの苦しい状況の中で、テレ合奏が一つの救い、希望になったことは確かでしょう。
吹奏楽界が獲得した新たな可能性・手段として、これからも広がっていってくれたら……と思います。