2019年1月6日、名古屋国際会議場センチュリーホールにて愛知工業大学名電高校吹奏楽部の定期演奏会が行われました!

↑本番直前のリハーサルの様子。

名電の定期演奏会はちょっと珍しい4部構成。

第1部はコンクールの課題曲《コンサート・マーチ「虹色の未来へ」》と自由曲《吹奏楽のための交響曲「ワイン・ダーク・シー」》、第2部はこの演奏会のために練習してきた《交響詩「ローマの祭り」より》、第3部はマーチングメンバーによるステージドリル《アスファルト・カクテル》、そして第4部がポップスやミュージカル、となっていました。

《ワイン・ダーク・シー》は、同じ場所で行われた全日本吹奏楽コンクールのときと同様によく音がブレンドされた名電ならではの演奏になっていました。

また、非常に思いがこもっており、終盤は聴いている側も心身ともに震えるような好演でした。

ステージドリルは、《ワイン・ダーク・シー》と同じジョン・マッキーが作曲した《アスファルトカクテル》。

非常に難しい曲を演奏しながらドリルもこなすマーチングメンバーに脱帽。また、恒例のラストの合唱ではステージ上のメンバーはもちろんのこと、客席からもすすり泣きが聞こえてきました。

演奏会の最後は十八番である《ディープパープルメドレー》。

まるで3年生との別れを惜しむかのようにゆっくりとしたテンポで進む演奏に、客席のテンションも上がっていき、盛大な拍手とともに終演を迎えました。

↑顧問の伊藤宏樹先生。

 また、演奏会の中で、3年生から顧問・伊藤宏樹先生へサプライズで手作りの「感謝状」が贈られ、思わず伊藤先生が言葉を詰まらせるというシーンもありました。

一人ひとりの思いが詰まった寄せ書きには伊藤先生への感謝の言葉が綴られていました。

終演後には、舞台裏で印象的な光景を見かけました。

次々に3年生が伊藤先生のもとにやってきて、「ありがとうございました」とお礼の言葉を述べていました。中には、涙ながらにこれまでのことを謝ってる部員もいました。

きっと部活動の中でうまく振る舞えなかったり、先生や仲間たちとぶつかり合ったりしたことがあったのでしょう。

伊藤先生はそんな3年生に「いいよ、いいよ」と笑顔で言いながら、その話に耳を傾けていました。

その後、伊藤先生はオザワ部長にこんなことを語りました。

「うちは一度入部したら、よほどの事情がある場合は除いて、基本的に退部はさせないようにしています。たとえ、部活をやっている間は反抗的な子でも、まわりとうまくいかなかった子でも、最後のこの定期演奏会で何かをつかんだり、こちらの気持ちに気付いてくれたりすることがあるんです。だから、何か大変なことがあっても、できる限り最後まで続けるよう指導しています」

愛知工業大学名電高校吹奏楽部のモットーは「絆と伝統に感謝」です。部活生活の最後の最後に先生や仲間たちとの絆を確かめ、卒部していく……素晴らしいことではないでしょうか。きっとその絆は卒業後も続いていくことでしょう。

「絆のバンド」、愛知工業大学名電高校吹奏楽部。

音と心をブレンドさせて奏でるそのサウンドは、2019年度も多くの人に感動を与え続けていくことでしょう。

そして、愛工大名電の3年生の皆さん、ご卒業おめでとう!

ぜひ次のステージでも輝いてくださいね!