注目は委嘱作品の2曲!

※6/26更新

例年のことではありますが、「さぁ、これからコンクールが始まるぞ」という時期に、次年度の課題曲(タイトルと作曲者だけですが)が発表されます。

まだ今年度の課題曲にも深く親しんでいない時期ではありますが、それでもやはり、新たな課題曲の登場にはワクワクしますね。

祝い唄と踊り唄による幻想曲 杉山義隆(第34回朝日作曲賞)

マーチ「メモリーズ・リフレイン」 伊藤士恩

Rhapsody ~ Eclipse 大島ミチル(委嘱作品)

ステップ、スキップ、ノンストップ 後藤洋(委嘱作品)

2025年度の課題曲の1番の目玉は、やはり4曲中2曲という高い割合で入っている委嘱作品(公募ではなく、全日本吹奏楽連盟からの依頼によって作曲された作品)。

大島ミチルさんの《Rhapsody ~ Eclipse》と、後藤洋さんの《ステップ、スキップ、ノンストップ》です。

大島ミチルさんは長崎県長崎市出身で、NHK大河ドラマ「天地人」「あすか」「純情きらり」やテレビドラマ「ごくせん」「ショムニ」、映画「日はまた昇る」「海難1890」、アニメ「のだめカンタービレ」「鋼の錬金術師」など数多くの劇伴を手掛け、管弦楽曲や室内楽曲なども作曲しています。

一方、後藤洋さんは秋田県出身で、吹奏楽ではおなじみの作曲家。すでに課題曲としては《即興曲》(1976年)、《カドリーユ》(1983年)を手掛けており、今回が3回目。2011年には《ウィンド・アンサンブルのためのソングズ》で、世界でもっとも権威のある作曲賞のひとつとされる「ABAオストワルド賞」に日本人として初めて選ばれています。

このお二人の作品は要注目です。

もちろん、朝日作曲賞に選ばれた杉山義隆さんの《祝い唄と踊り唄による幻想曲》、伊藤士恩さんの《マーチ「メモリーズ・リフレイン」》にも、「課題曲を越えた名曲」への期待を感じます。

これも例年のことではありますが、早く聴いてみたくなりますね。

例年であればおそらく1分間程度の試聴が2025年の1月前半あたりに、楽譜の発売は1月下旬あたり2月下旬になるようです。

※楽譜の発売タイミングの情報をお寄せくださった方、ありがとうございます。

タイトルから曲調を想像しつつ、全曲の正式発表を待ちましょう。

なお、曲順(I〜IV)はまだ決まっていないとのことです。




★2024.7.2発売! オザワ部長最新刊は沖縄が舞台★
『いちゅんどー!西原高校マーチングバンド

〜沖縄の高校がマーチング世界一になった話〜

いちゅんどー

沖縄県立西原高校マーチングバンドが2022年に世界音楽コンクールでワールドチャンピオンに輝いた事実をもとにし、「音楽のオリンピック」で世界一を目指した高校生たちの青春を描く小説。

タイトルの「いちゅんどー!」とは、ウチナーグチ(沖縄の言葉)で「行くぞー!」という意味。

心に傷を負って東京から沖縄へやってきた美久(ミーク)は、ひょんなことから西原高校マーチングバンドの部長・ユーイーと出会い、カラーガードの一員として活動を始める。
目標はオランダで4年に1度開催される「音楽のオリンピック」、世界音楽コンクールでワールドチャンピオンを獲得すること。
バレエの経験がありながら、初めて取り組むカラーガードの演技に苦戦する美久。
一方のユーイーも、新顧問の良吾先生に部内をかき回されてオランダ行きに暗雲が垂れこめ……。

ひたむきな練習の日々に、恋や家族、沖縄の歴史や神話が絡み合いながら、美久たちは青春のまっただ中を駆け抜けていく——。

(新紀元社より2024年7月2日発売)

■Amazonの書籍ページ⇒ https://amzn.to/3Vy98hb