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全日本吹奏楽コンクール20回出場の栄光
秋田県立花輪高校吹奏楽部は、東北を代表するレジェンドバンドとして知られています。
創部は昭和33年(1958年)。
1969年に佐藤修一先生の指揮で初出場して以来、実に20回の全日本吹奏楽コンクール出場を記録。金賞も8回受賞しています。
また、1985年には第1回環太平洋音楽祭でグランプリを受賞しました。
しかし、近年の少子化・過疎化の影響で生徒数が減少。
2024年度からは花輪高校・十和田高校・小坂高校が統合され、新たに「鹿角高校」となることが決まりました。
吹奏楽の名門である「花輪高校」の名前は今年度いっぱいで消えることになります。
これまでも神奈川県の野庭高校、高知県の高知西高校なども似た経緯を辿っていますが、寂しいものですね。
現役・卒業生総勢100人超が集結するファイナルコンサート
花輪高校のフィナーレを飾るべく、現役部員とOB・OGが集まり、総勢100人超によるファイナルコンサートが開催されます。
題して、『秋田県立花輪高等学校吹奏楽部 コンサート「響」』。
詳細は下記になります。
当日は、奇しくも今年の全日本吹奏楽コンクール・高等学校の部と同じ日。これも主催したみなさんの思いなのか、あるいは運命なのかもしれません。
きっと会場には花輪高校の栄光の歴史やその中で生まれたたくさんの思い、名門が育んできた美しいサウンドが「響」き合うことでしょう。
地元・鹿角市や秋田県の方はもちろん、吹奏楽ファンのみなさんもぜひ足をお運びください。
秋田県立花輪高等学校吹奏楽部 コンサート「響」
●日時:令和5年10月22日(日)13:30開場 14:00開演(17時終演予定)
●場所:鹿角市文化の杜交流館コモッセ 文化ホール
●演奏:花輪高等学校吹奏楽部+OGOB
●指揮:歴代顧問:関学、阿部慎太郎、高橋理
●OB:阿部和博(さいたま市消防音楽隊楽長・あおぞらハーモニー吹奏楽団常任指揮者)、田村裕三(秋田県立横手高等学校吹奏楽部顧問)、小坂紀彦(航空自衛隊北部航空音楽隊トランペット奏者)(敬称略)
●演目:校歌、女学校校歌、魔法使いの弟子(デュカス)、交響曲第二番(ガジベコフ)交響曲第三番シンフォニー・ポエム(ハチャトリャン)ほか
●入場料:1,000円
●チケット入手方法:2023年8月末までは出演者、指揮者にお申し込みください。
9月以降、コモッセプレイガイド http://comosse.jp/index.php/ticket/ で販売予定です。
少子化・過疎化は他人事ではない
今回、花輪高校の閉校とファイナルコンサートのニュースをお知らせしましたが、これは全国の学校にとって他人事ではありません。
都市部でも、地域によっては少子化・過疎化(限界集落)は進んできています。
学校が統合されれば、学生たちの通学時間はいままでよりかかるようになるでしょうし、部活動はやりにくくなるでしょう。
また、昨今の部活改革・地域移行・教員の働き方改革などの動きにより、さらに部活動への制限は強まるかもしれません。
特に戦後、全日本吹奏楽コンクールが再開されてから発展を続け、日本が誇る文化の一つになっていた吹奏楽には徐々に危機が迫ってきています。
裏を返せば、吹奏楽をどのように維持・発展させていくかということは、もしかしたら少子化・過疎化にも応用できる対策になったり、あるいは少子化・過疎化とセットで対策できるものになったりするかもしれません。
部活動を含めた子どもたちの教育を豊かにすることは、10年後、20年後の日本を豊かにすることにつながります。
政治、行政、教育に携わる人たちだけでなく、我々ひとりひとりが問題意識と当事者意識を持って、自分にできることが目の前に現れたら協力する、これまで培ってきた経験や能力を使うことが大切ではないでしょうか。
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【『空とラッパと小倉トースト』あらすじ】
「うちの名前は美森! 美しか森から来よった美森ばい!」
とある事情で福岡県南部の山奥から愛知県名古屋市へひとりやってきた天涯孤独の少女・天川美森。
天才トランペット少年・安曇響と出会ったことをきっかけに、名門として知られる愛知名晋高校吹奏楽部に入部する。
「うち、入るったい! 吹奏楽部!」
個性的な仲間たちとともに部活に没頭する中で、ド素人だった美森はトランペットの才能に目覚め、やがて響のライバルへと成長していく。一方、美森の生い立ちを巡って、周囲の人々の人生が複雑に絡み合い——。
「うちにはもう、本当に本当に音楽しかなかけん」
最後の全国大会、自由曲《森の贈り物》のソロが会場に響き渡る。果たして、それを奏でたのは誰なのか……?
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