『とびたて!みんなのドラゴン』が連れていってくれた場所
2026年2月10日、東京都千代田区の経団連会館にて「第71回青少年読書感想文全国コンクール」の表彰式がおこなわれ、課題図書『とびたて!みんなのドラゴン 難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険』の著者として参列しました。

このコンクールは、吹奏楽コンクールにたとえるなら読書感想文の「全国大会」とでも言うべきものです。
私自身、小学生のころは読書は好きだったものの、読書感想文は大の苦手。夏休みの宿題で何度か提出しましたが、賞をもらうことは一度もありませんでした。
小6のときなど、作曲コンクールに参加すれば感想文を書かなくてもいいという条件があったので、ピアノを使って作曲したところ(すでに選ばれていた小学生の詞にメロディをつける)、横須賀市で何かの賞をもらってしまったことがあります。
それくらい感想文は苦手だったので、今回受賞された皆さんの感想文は、本当に驚きと感動を覚えながら読ませていただきました。
初々しさとみずみずしさ、風に揺れる産毛のような感性。自身の置かれている状況を客観的に理解しながら、読書を通じて得た思いを未来への希望に変換していくしっかりした言葉遣いは見事なものでした。
自分の小学生時代とは天と地ほどの違いがあります。

授賞式では、少し戸惑ったような表情も見られました。
もしかしたら、この場所にはわけもわからないまま連れてこられて、「なんだかすごいらしい賞をもらってこそばゆいけど、実感が湧かない。いったいなんだろう、これは? 早く帰ってアニメが見たいな。お腹も空いたなぁ……」などと思っていたかもしれません。
この日の経験の大きさ、賞の重さを量れるようになるのは、もう少し先かもしれません。それでも、皆さんが今後充実した人生を送っていく上で何らかの糧になってくれればと思います。
まだ若い皆さんが充実した人生を送ることは、社会にとって、世界にとっても良いことなのです。
さて、拙著『とびたて!みんなのドラゴン 難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険』の読書感想文で受賞した大谷ゆきさん(全国学校図書館協議会長賞)、下田愛華さん(サントリー奨励賞)ともお話ができました。
作者としても、まるで自分が賞を受けたような喜びがありました。おふたりの感想文も、この本に描かれていることをご自身に引きつけて考え、自分なりに深めている点に感心させられました。
何よりも、そこまでこの本を読み込み、意味のあるものにしてくれたことを嬉しく思いました。
おふたりとも、小学生とは思えないほどしっかりしていらっしゃいました。これからもずっと本が好き、書くことが好き、言葉が好きでいてもらえたら、と思いました。
おふたりには『とびたて!みんなのドラゴン』と『美爆音!ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち』のサイン本を贈呈しました。


なお、会場では、友人の作家・額賀澪さんとも久しぶりに再会しました。課題図書ではありませんが、額賀さんの作品の感想文で受賞した方がいたのです。
我々作家がこの授賞式へ来られたのは、感想文を書いてくれた子どもたちのおかげです。

何よりも『とびたて!みんなのドラゴン 難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険』という本のおかげです。
自著ではありますが、私と多くの人をつなげ、得がたい機会を与えてくれたこの本にも感謝したいです。ありがとう。
もちろん、題材となった北九州市立日明小学校合唱部、竹永亮太先生には最大限の感謝を贈ります。
もし未読の方がいらっしゃいましたら、ぜひご一読ください。小学生から大人まで、それぞれの年齢、それぞれの経験から共感できる点のある1冊だと思います。
【とびたて!みんなのドラゴン 難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険】
オザワ部長著・岩崎書店刊
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