人生、何が起こるかわからない

5月30日、東京音楽大学(池袋キャンパス)にて吹奏楽アカデミー専攻の授業「バンドディレクション」で外部講師として講義をさせていただきました。

そもそもオザワ部長が大学で学んでいたのは文学部の文芸専修。そこでやっていたのは主に小説の実作でした。

仕事としても、ずっと文章を書くことをやってきたわけですが、まさか音楽大学の教壇に立つことになるとは思いもしませんでした。

人生、何が起こるかわかりません。

鬼子母神のすぐそばにあります

東京音楽大学は、通っていた早稲田大学とも比較的近く、雑司が谷近辺にも何度も行ったことがあったのですが、実際にこちらのキャンパスを訪れるのは初めてでした。

作曲家で准教授の中橋愛生さんにご案内いただいて校舎に入ると、とてもモダンで美しい構造の内部が学生さんたちの活気で満ちていました。

素敵な空間が広がっていました

さて、今回は世界でただ一人しかいない「吹奏楽作家」という存在についてのお話に始まり、これまで強い印象が残っている学校や指導者のご紹介をしたり、吹奏楽が抱えている問題について学生の皆さんと一緒に考えたりしました。

終了後に記念撮影!

休憩時間や終了後にはたくさんの学生さんが話しかけてきてくれましたが、高校時代に取材でお会いしたことがある方、著作を愛読してくれているという方など、いろいろお話ができて嬉しかったです。

特に、『吹部ノート』シリーズを読んでくださったという方が多く、本の内容に勇気づけられたと言っていた方、作中に登場する印象的な言葉をスマホにメモしているという方などもいらっしゃり、著者としては本当に幸せな気持ちになりました。

もう30年以上も前になりますが、自分自身も早稲田のキャンパスで学んでいた身です。いまの自分から見ると、大学生の皆さんはたくさんの可能性を持ち、未来への希望にあふれて、とても羨ましく感じます。

ですが、大学時代の自分を思い返すと、目の前にあるのは未来への希望というより、得体のしれない薄暗闇で、どのように自分自身の人生を扱っていったらいいのかわからないまま、不安で浮ついた毎日を送っていました。

もしかしたら、東京音楽大学の学生の皆さん中にもそういう方もいらっしゃったかもしれません。

吹奏楽についての学びのきっかけだけでなく、これから未来を生きていく方たちに「前へ進む勇気」や「真摯に生きることで道が開ける」ということ、「信じて準備を続ければ、きっとチャンスが巡ってくる」「裏側での努力も、きっと誰かが見てくれている」ということもお伝えしたいと思っていましたが、時間がまったく足りませんでした(講義は3時間もあったのですが、なんと用意してきたネタの3分の2もお話しできませんでした)。

次の機会があるかどうかはわかりませんが、もしあったとしたら、改めてそんなこともお伝えできればと思っています。

左からユーフォニアムの川野聡子さん、中橋愛生さん、私、サックスの小串俊寿先生、チューバの木村圭太さん。



★東京音楽大学の講義で登場した書籍★