テレワークとは思えない統一感!

一人ひとりの奏者が自宅などで演奏動画を収録し、編集で一つの合奏にまとめるというテレワークでの合奏=テレ合奏は、中学校や高校の吹奏楽部を中心に大ブームとなっています。

けれど、大人の楽団だって負けていません!

「少しでも多くの人を元気にしたい」という思いとともに、今は集まって合奏をすることができない仲間たちとせめてオンラインでコラボレーションしようということで、テレ合奏に取り組んでいるバンドがあります。

広島県の安佐南区を拠点に活動している一般楽団、祇園(ぎおん)ウィンドアンサンブルもそのひとつ。

ちなみに、京都ではなく、広島にも祇園と呼ばれている地区がある。祇園ウィンドアンサンブルはその名をバンド名に冠しているのです。

公式サイトより

祇園ウィンドアンサンブル1983年に結成され、「継続は力なり」をモットーに18〜60歳前後と幅広い年齢層の団員、約70人で活動しています。

ラジオ「Bravo Brass〜集まれ!ブラバンピープル〜」(インターネットラジオOTTAVA)でもときどきその演奏をかけていますので、聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

常任指揮者は、オザワ部長著『吹部ノート2 青春のすべてはその12分間のために』(KKベストセラーズ)で取り上げた男子校×進学校×吹奏楽の強豪校である修道中学校・修道高校スクールバンド班の顧問でもある大咲司朗先生。もちろん、書籍の中にもガッツリ登場されています。

大咲先生のリコーダーによるチューニングから演奏が始まるところがユニーク!

今回、テレワーク合奏を公開するにあたって、団員の皆さんにはこんな思いがあったそうです。

練習自粛が続いて、ゴールデンウィークに開催する予定だった定期演奏会も新型コロナウイルスの感染拡大帽子のために中止となりました。しかし、私たちもテレワーク合奏を通じて一つになり、「音楽を通してみんなの心に元気を届けたい!」と考えて、約40人が参加して動画を制作しました。

演奏したのは、昨年の日本レコード大賞にも輝いた米津玄師作《パプリカ》

映像には、自宅や車の中、屋外など様々な場所で楽器の演奏やダンスをしている様子が映し出されます。

その様子はとても楽しそうですが、「早くみんなで集まって合奏がしたい!」という思いもまた伝わってきます。

特筆すべきは、テレ合奏とは思えない音のまとまり! 素晴らしい! 

そして、子供たちに大流行した《パプリカ》の振り付けも全力で披露しています。

こうやって全身で楽しめる大人の吹奏楽もいいなぁ!

動画の最後に現れるメッセージは……

みんなで一緒に音楽を奏でられる
その時が来るまで
何度も待ち続ける
だって
祇園ウィンドアンサンブルが
大好きだから

地域文化の灯火は
決して消さない…

そうなんです。一般の吹奏楽団は地域の交流の場でもあり、文化の担い手でもあります。

地域のイベントに積極的に出演し、楽しく、美しく、にぎやかな演奏で地元の人々を楽しませてきました。

今はイベントそのものが開催されていませんが、いつか必ずまた祇園ウィンドアンサンブルの皆さんが音楽によって「地域文化の灯火」をまぶしいくらいに輝かせるときが来るでしょう。

その日が一日でも早く訪れますように。

ということで、ぜひ祇園ウィンドアンサンブルのテレ合奏《パプリカ》をご覧ください!